説話「出世(しゅっせ)」

出世と聞いて思い浮かべるのは「彼は出世するに違いない」「彼は出世頭だ」など、世の中に出て高い地位・身分になる事や、経済的に豊かになる事などの意味としてよく使う言葉ですが、本来の意味は少し違うようです。
大きく分けて二つ、「出世」とは、

一:仏教の教えに「諸仏の出世は値遇(ちぐ:めぐり合う)すること難し」とあり、仏がわれわれ衆生(人々)救済のために仮の姿(人間の姿)になってこの世に出現すること。

二:「出世間」の略で、世間を超越し俗世間を離れた仏道世界のこと。

という意味です。こういったことなどから世俗を捨てて、仏道に入る事や仏道に入る人を「出世」とか「出世者」と呼ぶようになったのです。
日本では、貴族の子息が出家した場合に出世者(出家者)と呼ばれました。普通の人より昇進が早かったそうで、やがて僧侶が高い位になって大寺の住職になることを指すようになり、さらに一般に栄達をとげることを「出世」というようになったのです。
 

eお坊さんねっと 説話集より

参考:「天台宗」法話集より抜粋・編集

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